『モルエラニの霧の中』は途中休憩あり(1部 123分/2部 91分)
★7/13(日)【短編:十二月の三輪車/日本人アンナ】は特別編成での演奏
第一話 『無口なピアノ』
閑散としたフェリーターミナルの片隅、学校帰りにピアノを弾くのが里奈の
日課。ある日コロナ禍による客足減少に伴い航路は廃止、ピアノも使用禁止に。
落ち込む里奈に無愛想な清掃員、村岡が「うちにもピアノがある」と自宅へ招く。
そこは、廃業したばかりの喫茶店だった。
第二話 『記憶と水音』
小さな画材屋を営む津田は、⼊院中の幼なじみ川瀬の病状が気がかりだ。
やがて自宅療養になった彼と、その娘奈々を交えた思い出語りのなかで、
幼少時に故郷の長万部町で河童を見た話にいきあたる。翌日、3人は故郷へ
向かい朧げな記憶を辿って沼を探すのだが…
第三話 『昨日の煙』
かつてS Lの乗務員だった元国鉄職員の吉井は、妻に先立たれてからの
一人暮らしをあきらめ⾼齢者施設への⼊所を決める。家財処分のため呼び
出した引取り業者の杉⼭に「私も捨ててくれ」と言い出した彼の願いは
「繰り返し夢に出てくる場所」を探すことだった。
坪川拓史監督
1972 年北海道⽣まれ。1990 年上京。
ホームレス⽣活を経て 1991 年、
劇団「オンシアター⾃由劇場」に研究⽣として⼊団。
同時期、独学で映画制作も始める。
1996 年、故郷の⻑万部町にあった映画館の解体をきっかけに初⻑編映画『美式天然』の制作を開始し 9 年がかりで完成させる。
2007 年『アリア』、2013 年に『ハーメルン』を制作。
国内外の映画祭に招かれて幾つもの賞を受賞。
2011 年に室蘭市へ帰郷し、2014 年より同地にて『モルエラニの霧の中』制作を開始。
ほぼ全ての作品で、脚本、編集、劇中⾳楽の作曲とピアノ演奏を担当。
理想通りの画が撮れるまで撮影を中断して数年待つ事も度々あり、『ハーメルン』に出演した⻄島秀俊から「狂気の監督」と評される。
観た者の記憶に焼き付くような映像美の中、「時の流れに翻弄され消えゆくものたち」の姿を静かに紡いだ作⾵は国内外で⾼く評価される。
他に類を⾒ない独特の制作スタイルから”孤⾼の映画作家”と呼ばれている。
上映作品
B モルエラニの霧の中
C 美式天然
D アリア
E ハーメルン
C 美式天然(2005年)
出演:吉田日出子/高木均/小松政夫
1996年から2005年まで9年の歳⽉をかけて制作された⻑編1作⽬。
「⼀本の映画フィルムをめぐる、⼆つの時代の物語」。
公式な劇場公開は、完成から17年が経った2022年。
主演は吉⽥⽇出⼦と本作完成直前に亡くなった⾼⽊均。
本作をきっかけに坪川の全作品に出演した⼩松政夫による「活動弁⼠」の妙技も堪能できる。
★第23回トリノ国際映画祭「グランプリ」「最優秀観客賞」
★第2回横浜黄金町映画祭「グランプリ」
D アリア(2007年)
出演:塩野谷正幸/高橋マリ子/片岡正二郎/小松政夫/ミッキー・カーチス
⻑編2作⽬。公式な劇場公開は完成から15年が経った2022年。
「ピアノ調律師の男が、⼈形遣いの⼿放したピアノを探す旅に出る物語」。
⻘森から北海道各地を縦断する⼀⼤ロケーションを敢⾏。
出演は、塩野⾕正幸、⼈気モデルの⾼橋マリ⼦、⼈形作家としても知られる四⾕シモン、ミッキーカーチス、映画監督の故・若松孝⼆など多彩な⾯々。
⼈形遣い役を演じる⼩松政夫の芸の数々や、2024年1⽉に惜しまれつつ亡くなった正司歌江師匠が⼩唄を披露する姿など貴重な芸も記録されている。
★第7回ユーラシア国際映画祭「中央アジア映画連盟演出最優秀作品」
★第4回フランスキノタヨ映画際「最優秀観客賞」
E ハーメルン(2013年)
出演:坂本長利/西島秀俊/水橋研二/倍賞千恵子
福島県の昭和村を舞台に制作された⻑編3作⽬。
2009年制作開始。2011年の東⽇本⼤震災による中断を経て4年をかけて完成。
奥会津の美しい⾵景の中「廃校に暮らす元校⻑先⽣と卒業⽣とのふれあいを描く」。
主演は、今や世界中の映画⼈から愛される存在になった⻄島秀俊、2024年3⽉に亡くなった名優坂本⻑利。
歌⼿としても知られる⽇本を代表する⼥優の倍賞千恵⼦が出演のみならず歌声も披露。
解体予定だったロケ地の廃校が、撮影をきっかけに修復保存され、現在も多くの観光客が訪れている。
更に、劇中に登場する架空の「イチョウ祭り」は撮影翌年から実際に開催され続けている。
B モルエラニの霧の中(2020年)
出演:大杉漣/大塚寧々/草野康太/坂本長利/久保田紗友/竹野留里/小松政夫/香川京子
室蘭市を舞台に5年をかけ制作された7話オムニバス作品。
⾹川京⼦、坂本⻑利、⼤塚寧々、草野康太、⽔橋研⼆、菜葉菜、久保⽥紗友ら俳優陣に加え演技未経験の市⺠たちが主演を含む多くの役柄で出演。
コロナ禍による⼀年の延期を経て2021年「岩波ホール」を⽪切りに全国劇場公開。
2018年に急逝した⼤杉漣、2020年に亡くなった⼩松政夫の最後の公開作品に。
★第25回函館港イルミナシオン映画祭「最優秀観客賞」
★第43回サンパウロ国際映画「長編コンペティション部門公式招待作品」
★第17回ロサンゼルス日本映画祭「グランプリ」
早藤まきとの共同監督による初作品。
「歯痛の男が森へ迷い込み、次々と現れる怪しげな者たち歯医者の場所を尋ねるが…」。効果音も含めた生伴奏付きの上演が、イタリアやフランスでも好評を博す。
監督:坪川拓史/早藤まき
出演:熊沢段/片岡正二郎/内田紳一郎/綾田俊樹
作品データ:1995年/25分/8mm
4人の映画監督によるオムニバス映画『掌の小説』から、脚本と監督を担当した第3話「日本人アンナ」
監督:坪川拓史
出演:福士誠治/清宮リザ/菜葉菜/内田春菊/小松政夫/奥村公延
作品データ:2010年/30分/16mm
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